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今日の一冊はコレです↓

精神分析と仏教 (新潮選書)

この本は、精神分析でヒットした
2ちゃんねるの掲示板で知ったのですが、
ビックリしました。

内容の濃さ・貴重さという点では
絶版の『血と言葉――被精神分析者の手記』に
匹敵するような気がします。
血と言葉―被精神分析者の手記 マリ・カルディナル 柴田都志子訳 1983初版
血と言葉―被精神分析者の手記 マリ・カルディナル 柴田都志子訳 1992改訂版


この本にとても興味を惹かれていたのですが、↓
自由連想法覚え書―古沢平作博士による精神分析
自由連想法覚え書―古沢平作博士による精神分析 (1984年)


  自由連想と古沢平作先生、魅力的なテーマで、だけど、
  5,000円、7,000円という高値に躊躇していたら、
  転売を数回繰り返したものか、あれよあれよという間に
  ついに3万円の高止まりになってしまっていました。

  この本を買っても、自分の仕事には
  とうてい反映できませんからね。
  前田重治先生が古沢平作先生の治療を
  忠実に紹介しているものらしいです。


それでもあきらめきれないうちにこの本
精神分析と仏教 (新潮選書)
にたどりついたわけですが、良かったです。

すでに故人であり伝説の人物になっている
日本で最初に本格的な精神分析治療を行ない、
弟子を育てた古沢平作先生がどんな人だったか、
治療の様子も客観的にくわしく書かれています。

この、客観的にというところが大切。

いろんな人が口にする、
ほんの少しだけの、バラバラで断片的にしか
わからなかった古沢平作像ですが、
人間ドラマを見せられているように、
興味深いいろいろなエピソードとともに
語られています。

すぐ傍にいた弟子が、
古沢平作先生のことを後世に残しておきたいと
いう気持ちで書かれたものです。

精神分析と仏教という、どちらもそれだけで
大上段に構えたタイトルで損をしていますね。

帯の紹介文も、
「名僧・高僧の身を挺しての行動を分析する」
となっていますが、内容は正面から、
日本に精神分析が根付いていくまでの苦労や
当事者間の葛藤を取り扱ったものです。

仏教という深遠なテーマは、古沢平作先生が、
患者を治療するときの精神的な拠り所にしていたために
取り上げて混ぜこんである程度。

この本にふさわしい、内容を表現したタイトルを
私なりに考えてみました。

「人間・古沢平作博士の苦悩と喜び」
「日本に精神分析が学問として根付いた過程」
「精神分析家古沢平作とその弟子たち」
「古沢平作の奮闘と彼を取り巻く人間模様」
「精神分析の臨床と普及に生きた古沢平作」

こんな感じでどうかな?(^^) 


そういえば、古沢平作先生に長く指導を受けた愛弟子、
木田恵子先生の名前はここでも出てきませんでした。


カウンセリングしんどろーむ
は、
木田恵子先生の弟子遠藤ゆかり先生のブログ。
2008年1月26日のところに
生前の木田恵子先生のお写真があります。
本文の下にあるラベル(タグ)「かうんせりんぐ」で
再検索すると他にも興味深い記事がリストアップされます。

 

フロイトは医師かそうでないかは精神分析家になる資格として
問題にしなかったようですが、日本ではなんだか、
医師ではない精神分析家は、門外漢として
かやの外に置かれていたようですね。

木田恵子先生は医師ではなく、
古沢先生の精神分析を受けるご縁があったときに、
主婦からスタートした人で、
――そういえば、古沢平作先生は、
後進を育成される意欲に燃えていらしたらしいので、
木田恵子さんという当時若い一人の主婦にたいしても、
途中から教育分析(精神分析家を育てるための分析)に
切り換えられたのかもしれませんね。

木田恵子先生は名誉欲がなく、治療費を半分に、
時間を倍かけて、丁寧に、古沢平作先生直伝の治療を
続けられた方です。

子供の心をどうひらくか―やさしい精神分析 木田恵子



※上の文章をアップしてから約2ヶ月後に、
メールマガジンの101号にも、その後の関連記事を書きました。(^^) 



平井 瑛子( ひらいようこ )
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